SOCIALING EYE

あけまして、おめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
旧年中は、大変お世話になりました。

コロナに明け、コロナに暮れた2020年。今、21世紀の歴史の転換点となる時代を生きていると感じています。後世の人たちは2020年を、BC(ビフォーコロナ)、AC(アフターコロナ)と時代を区切る年として語り継ぐかも知れません。

中国の武漢で発生した新型コロナウイルスは、瞬く間に世界中を駆け巡り、多くの犠牲者を出しました。これは、全世界中の人々が全く無関係に存在している訳ではないということを、我々に思い知らせたのです。

そして、コロナ禍は我々の弱点を次々に暴き出しました。

パンデミックとともにインフォデミックが始まり、ソーシャルメディアの拡散力も後押しして、デマ情報をいとも簡単に信じ込む人たちが急増。自国ではマスク一つ作れなくなっていたことに驚き、グローバルなサプライチェーンが中国一国に集中していたことの弊害にも気づきました。

アメリカでは格差が命に関わっていることが明るみに出て、人種差別に対する抗議がアメリカから全世界に広がり、分断の溝を深くしました。日本では行政の停滞が目立ち、教育も含めたデジタル化の遅れが問題になりました。

各国政府はこの経済的なダメージを少しでも和らげるために、財政出動により巨額な資金を動かしました。その中で行き場の失った資金が株式市場に流れ込み、実体経済と乖離した株式市場が形成され、持つ者と持たざる者の格差をさらに押し広げています。

あれほど多くの議論をし、なかなか進まなかったオンライン教育やテレワークが短期間の内にいとも簡単に普及するなど、コロナ禍は様々な状況を一変させてしまったのです。

もちろん、その中で希望も見えて来ました。

EUを中心にコロナからの復興を「グリーンリカバリー」と位置づけ、再エネ、循環経済などの新たな枠組みを作り出しました。アメリカでもトランプ大統領が選挙に敗れ、バイデン次期大統領のもとで、環境を軸にした経済政策を計画しています。

そして、そのような空気を読んだのかどうかは別として、管政権の経済戦略は、デジタルと環境に軸足を置いた方向に大きく舵を切りました。内外からの批判を浴びながら、かたくなに守り続けてきた火力と原子力中心のエネルギー政策を再エネを中心にシフトさせたのです。

その成果が問われるのはこれからですが、2020年中に各国の方向性が「グリーンリカバリー」に向いたことは、コロナ禍があったからと考えてもいいのではないかと思います。まさに、コロナ禍は、経済を停滞させましたが、時代を加速したのです。

アメリカの絵本作家、ドクター・スースは次のような言葉を残しています。

「よくないことが起きた時、人には3つの選択肢がある。
振り回されるか、壊されるか、
あるいはそれを糧に成長するかだ。」

コロナ禍で激変した社会。必死で変化に対応するために動き回ることは、ある意味振り回されているとも言えます。

コロナ禍を糧に成長することとは、自分にとってどういうことなのか?答えはまだ掴めていませんが、「牛歩」のごとく一歩づつ、ゆっくりと思考を「反芻」させながら探していこうと思います。(ちょっとだけ丑年にかけてみました。)

本年が皆さまにとって実り多い年であるように、謹んでお祈り申し上げます。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

SOCIALING LAB LLC 代表
大久保惠司

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